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全労連第23回定期大会 2008年7月23日〜7月25日
 
 
7月25日(金)

3日目の様子


全国商工団体連合会
国分稔会長

質疑・議案討論

富山県労連 村上代議員
 08最賃運動の「核」である署名数はすでに1万筆を超した。その6割以上が他組織労組からのものである。これは、「666円の時給を1000円以上に」という富山県労連の主張が世論の支持を得ている証拠である。今年は2万筆の峰に挑戦している。
 しかし、こうした労組の社会的連帯は県労連の組織拡大にそのまま結びつく訳ではない。6・18の「拡大総がかり作戦」は延期せざるを得なかったが、いくつかの単産・単組と組織拡大に向けた協議に踏み出している。秋闘の中で知事選勝利と併せて是非「組織拡大総がかり作戦」を成功させたい。
 全労連大会参加は2度目。9月の県知事選に当時の事務局長が立候補し、72000票を獲得した。その時、初当選した総務省官僚出身の石井現知事は、6月の県議会で再出馬を表明した。「明るい富山県政をつくる会」で候補者選考を終え、出馬要請を行った。7月7日の幹事会で、応援してがんばろうということになった。富山県労連の前議長で顧問の米谷寛治さん。10月2日告示、19日投票。全国の仲間の皆さん、絶大な協力をお願いしたい。
 この間の国の悪政に異議をとなえない石井知事に対し、与党保守の側からも変化が起きている。後期高齢者医療制度の見直し決議が採択された。連合富山県職労も最近になり、石井知事は支持できないとした。これまで強行してきた行革、県公務員の賃金3%カット、これは4月には元に戻す予定だったものを1%カットで継続している。また、独自でつくってきた医療費の補助制度を排除しようとしてきた。そのたびに労働組合と県が反対してきた。
 最賃闘争について。富山県労連は最賃の署名を郵送でやってきたが11011筆に到達した。この集約した署名は6割が組織外。連合富山の県教組の反応がよかった。最賃審議会の委員選出は不透明と抗議したらマスコミが大きく取り上げてくれた。この秋も県民労働者と連帯した運動を取り組んでいく。

岡山県労会議 井原代議員
 地方の県労連の仕事は、何でも売っている総合スーパーマーケットのようだ。ジャンルが多くまた広すぎて大変。そのことが傘下の組合員に県労連の運動を分かりにくくしてる要因になっているのではないか。また産別の責任者が他の職場に関心を示さないことに驚いている。議長からは産別がやらないこと、出来ないことを県労連がやるんだと励ましてくれる。
 2月から自治体キャラバン、病院キャラバン、憲法キャラバンをやった。自治体との懇談は組合員にとって格好の学習の場。一緒に行くことでノウハウを学び、社会的役割やニーズを取り組みに位置づけてくことが重要。しかし現実は簡単ではなく、旧態依然としていて、行動は責任者が行けばいいという風で愕然とする。私も産別出身だが、一緒に来てくれる人はいいほう。現場に学べと言うが県労も同じ。運動はデスクではなくまさに現場で起きているという気持ちがする。
 自治体キャラバンかの行動を通じて従来保守と思われていた自治体でも「政治を変えたい」と考えている首長や役員が増えていると感じている。自治体の財政が厳しくても医療や住民サービスを維持しようとする方や職員一丸となって地域医療を担い、病院を守っている献身的な医師や職員のみなさんの涙なしには語れない奮闘も直接聞くことができた。憲法キャラバンでは「国の良い子でいる時代は終わったと」胸を張った首長もいた。4月2日に開催した「市民病院を守り、地域医療を考える集い」は資料が足りなくなるほどの250人が参加した。
 次の総選挙では世論を背景として、従来の皮を破って前進する必要がある。国民の気持は全労連運動と共鳴して大きな力を発揮する時代。県労連の取り組みをもっと組合員が成長し全労連を理解できるわかりやすい運動にすることが大切。
 6月に風林火山作戦と銘打った宣伝行動をするつもりだったが、内容がともなっていなかった。県労連の取り組みとしては初めてだった。新しい運動を提起することが新しい一歩を踏み出すことになると確信している。

宮城県労連 布間代議員
 5月に「第16回パート臨時派遣などで働く仲間の全国交流集会」を開催した(520人参加)。ディーセントワークを課題として、県労連、春闘共闘などともに参加してよかったと思われる集会にと、一丸となって準備した。非正規労働者を真ん中にする今後の運動の土台ができた。非正規労働者センターが形だけにならず機能することを期待する。東北ブロックで連絡会をつくり、秋に交流会を開く。
 2つめは、最賃審議委員のこと。5名の労働者委員がいるが、意見を求められても意見を言わない委員がいる。それでは意味がない。私は今年で11回目の立候補。しかし、総合的な判断と排除され続け今回も任命されず、厚生大臣に任命処分の取り消し審査請求書を提出した。それは、1つに、公募制度を踏みにじっていること。2、客観的かつ公正な基準が示されていないこと。3、特定の労働組合の利益を擁護していること。4、ILO結社の自由委員会第328次報告における勧告の遵守。ILOは、不均衡是正を勧告している。連合推薦以外の候補者をいずれも排除している。非正規労働者が増える中、低すぎる最賃額を引き上げるためにも公正に任命することが重要だ。全労連は、各県一体となって獲得運動の強化をしてほしい。
 3つめに、6月14日におきた岩手・宮城内陸地震について。被害総額は、1000億を超える。県労連は、宮城災対連を招集し、支援活動を展開してきた。全国のみなさんのさらなる支援をお願いしたい。

神奈川県労連 水谷代議員
 ローカルセンターの羅針盤となる全労連大会にむけて神奈川労連でも議論した。結論は「組織拡大推進費の新設」には賛成できない。提案どおりであれば保留にせざるを得ない。青年、外国人、女性が毎日の生活に苦しんでいる。全労連の拡大のチャンスにある。200万全労連をめざすもっと夢とロマン、展望ある提案をしてもらいたい。「数は力」の拡大は特別会計やカンパで賄うものでよいのか。全労連は今こそ組織拡大を中心に添えた財政運営を。拡大運動を支える組合費の使い方、役員と人員の配置など、お金と人の使い方を従来型でなく抜本的に変える提起をしてもらいたい。当面3年間は1口1円会計だが、3年後には値上げの恐怖をあたえるような負担をさせるべきではない。100歩譲って、特別会費の新設は理解できても、総額5000万3つの分野に小分けしては、200万全労連を本気でやり遂げる方針ではない。
 拡大推進費は一括オルグ活動にあてるべき。私たちは全労連を支える首都圏ローカルセンターとして取り組んできた。結成時7万5000人から、最高時10万3000人に拡大した。現在は年間1万人前後拡大している。「数は力」の拡大運動を地方単産、地域労連の任務と位置づけ、「どこでどう拡大するか」「非正規組織化」の構想と目標をもち、組合のお金と役員配置を拡大活動にシフトする、この力が実増に結びついた。
 労働相談が急増している。年間1000件以上。「生活まるごと支援」ネットワークづくりの議論も始めている。労働者教育協会などとも学習運動強化もスタートした。全労連共済を発足させるため全面的に協力したい。
 要求・世論・組織拡大の3つの力で組織拡大を飛躍できるチャンス。ゼネストを09春闘に向かって準備するとき。今こそ、憲法28条の団体行動権を行使しよう。神奈川県労連も全力で奮闘する。

京都総評 馬場代議員
 京都総評の今年6月末の現勢は、2年前の定期大会と比較して3000人の後退となった。この5年から6年間の推移で見ると年間約4000人増やし、脱退は約5000人で結果として年間1000人の減少になっている。すべての組織で後退しているのではなく、連合、中立組合からの加入があったり、京建労、年金者組合、地域ユニオンは一貫して組合員を増やしている。共通するのは個人加盟で職場の要求よりも、生活に関わる多様な結集軸で拡大しているところ。拡大運動の進め方も、具体的な数値目標を立て、期限を切って、必要なことを検証しすべての組合員が参加するよう工夫している。京都の12の地域ユニオンも200人を超えその4割以上を占めている伏見ふれあいユニオンは常に規模と運動のテンポを明らかにしている。全労連の組織拡大の提起について2010年を200万人で迎えると掲げているが、そのためには2年間で100万人増やさないといけない。最高の峰に達するにも年間で35万人の拡大が必要。現実的でない目標はむしろやる気を損ない無責任に映る。目標修正も含めて総括をしっかりと掘り下げていく必要がある。必要な視点は2つ。1つは組織拡大運動を要求前進の取り組みのなかにどう位置づけるか。組織拡大は要求実現の結果ではないし、要求が前進するとほっておいても組合員が増えるものではない。未組織の未加入者に働きかけるものであって、目標を達成に見合う規模まで引き上げるために拡大するもの。全建総連の傘下の組合は保険料の引き上げがあると組合員は困るが、だからと言って拡大ができない、拡大できなくても仕方がないとは言わない。むしろ一層広げて大きくしている。2つ目は組織拡大運動を何で評価するか。未組織労働者の接点や加入には、ひとつひとつに大きな変化や感動がある。しかしそれは枝葉であって幹ではない。主体的な力量を強化し、情勢を力関係で変えるものなるには数字による評価をすべき。大会資料の現勢調査結果が入っていない。開示を求める。3点セットも実態を踏まえ改めるべき。
 情勢の変化に全労連の組織拡大運動はついていっているのか問わなければならない。来賓挨拶で宇都宮さんが市民団体やNPOの連携を強調したが、そのとおりだと思う。NPOのみなさんは社会的関心が高く要求もあり実際に参加している。そしてその多くは未組織労働者であるし非正規労働者もたくさんいるだろう。私たちが市民運動に接近することが求められているだけでなく、市民運動も私たちに接近している。そういう身近な人たちを労働組合に迎え入れられるか。労働組合はその魅力がある組織になっているだろうか。
 この第23回定期大会を組織拡大の一大転換点としたい。

埼労連 原富代議員
 県労連は、1989年全労連結成の4日前に86000人で出発した。2002年には5割増の13万人を超えた。その後3年間は減少を余儀なくされたが、06年からはずっと増勢で、今年は1400名の実増となっている。過半数の単産が増勢だ。各組合の努力がある。たとえば、生協コープネット労組。1つには、所属する会社が違っても、みんな組合に入ってもらおうという視点、第2に、目標と計画に基づき役員が執念を持ち先頭に立って行動しているということが教訓的だ。
 後退の時期に、拡大運動を呼びかける一方、未組織労働者など大掛かりな調査活動をし、組織化の再検討をした。ローカルユニオンの立ち上げ、埼玉県労働者福祉共済会という福祉事業団体を設立し、共済制度と合わせ福祉事業の構築を行った。さらに学習運動の提起など。非正規労働者、孤立した労働者の仕事、くらしを丸ごと見る体制をつくることを考えた。大会議案に、「全労連共済の検討」が打ちだされているが、大きな視点で、労働者の生活と人生を「丸ごと受け取る」という構えで検討してほしい。
 P17の視点と地方における組織形態など、総合的に検討していただきたい。
 組織拡大推進費について、教育・地方・非正規の3つの視点は大事。産別や地方の事情にあった現実的な対応を。連合埼玉は17万人。あと4万人増やしたら連合を追い越す。夢を現実にする時代。希望をもって全国のみなさんとともにがんばりたい。

千葉労連 松本代議員
 全労連結成時、資本主義万能論が言われた。あれから20年、資本主義限界論に追い込んだ。若者が資本主義でいい思いをしていない。これから20年、大企業を社会的に規制し、国と地方を変える時代だ。
 総選挙を前に自民党がびびりはじめている。貧困打開には非正規労働者の待遇改善。景気低迷打開のためには非正規労働者の待遇改善。1974年の第1次石油ショックの時、32%の賃上げをとった。いま第3次石油ショックといわれているが、大事なのは非正規の待遇改善。3割5割の賃上げ要求を最賃と共に掲げていく。千葉労連も11月13日の全労連が提起するストを含む行動を歓迎したい。
 どこに組織を強化するのか。下請け労働者が1000万こえた。昨年流山市で、委託清掃競争入札で39人が解雇となった。今年市川市で競争入札があり、組合員は全国一般に入っていたが、雇用は守ったものの賃金は下げられた。建設協力会が解散し、防災協定を破棄した。入札ではやっていけないということ。公契約のところに全労連飛躍の鍵がある。公契約法制定に向けた水面下の動きがあるが、各党要請をこの夏・秋からはじめるべき。
 県民が県政に求める4大要求は「災害からまもる」「高齢者」「食の安全」「地域医療」。ところが知事は、大規模開発一辺倒、官から民へ、市町村合併による地方自治体の破壊。ジャティックが大規模開発を要求いる。東日本高速道路株式会社の社長も道路を造れと要求している。県政の黒幕は財界。中央は経団連。経団連の地方組織は千葉の経営者協会。その大塚会長は現知事を応援している。「明るい会」は年内に候補者を決める。ヒントは沖縄。県民が立ち上がって勝った。県民運動の延長線上に候補者を擁立したい。
 明治乳業の争議は労働者を区分けして、賃金差別し23年間闘いを行っている。事態は最高裁。関西では、植田大阪労連議長、岩橋京都総評議長に支援共闘を立ち上げていただいた。
 千葉労連は組織を前進するため引きつづきがんばりたい。

来賓あいさつ
全国商工団体連合会 国分稔会長

議案討論
総括答弁
大会宣言
新役員の紹介