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目に見えていた規制緩和の顛末
景気の低迷でお客さんは増えない、でもタクシー台数だけは増えつづける――そして、運転手は最低賃金、さらには生活保護水準以下の給料となり、生活苦に陥っています。この状況を引き起こしたものは何なのでしょうか。 道路運送「改正」法が2002年に施行されました。この法のもとで、会社が保有する台数と運賃の規制緩和が進められてきました。 この規制緩和を行う前から結果は目に見えていました。台数を増やしてもお客が増えなければ利益が上がらず、タクシー会社は損をするだけではないか、だから台数はそんなに増えないのではないか――。ところが実態は違いました。 タクシー運転手の賃金は歩合給です。台数増で1台当たりの売り上げは当然落ちます。しかし、会社全体としてみれば、台数を増やすことで総売上げは落ちません。1台当たりの売り上げ減をかぶるのは運転手ということになります。料金も安くなった分を負担するのは運転手なのです。こうして会社はやみくもに台数を増やしつづけてきました。 引き起こされたのはサービス低下や渋滞、事故多発……。しわ寄せは結局住民に、というわけです。 タクシー運転手でつくる全国自動車交通労働組合総連合会(自交総連)は、安心と安全を破壊する規制緩和の見直しを国土交通省に要求するなど、継続した運動を展開しています。 裁判闘争も展開。増車を規制する「緊急調整措置」を発動しない責任を問う「仙台国賠訴訟」、特定の大口顧客だけに値下げする差別運賃を認めた責任を問う「東京国賠訴訟」がたたわれています。 |
■規制をなくせばタクシー激増、台数規制は世界の常識
資料:自交総連HPより |