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パートなどの非正規労働者

派遣・請負パンフ(改定版)「改正」パート法を活用しよう「改正」パートタイム労働法を職場に生かす運動

パート・臨時労組連絡会 第7回総会/貧困と格差を解消し、ディーセント・ワークを実現しよう/2007年度運動提起(案)/2007年10月14日(日):全労連会館
格差を是正し均等待遇を実現しよう―/第15回パート・臨時・派遣ではたらくなかまの全国交流集会/神戸で開催
松下プラズマ偽装請負争議・大阪地裁判決についての声明(word24KB)
パート法「改正」学習資料6種掲載(PDF1,717KB)
パートニュースNO1(word53KB)
■「パート・アルバイト・派遣…で働くあなたへ」―権利のしおり(PDF1,211KB)
■「パート・アルバイト・派遣…で働くあなたへ」―権利のしおり(HTML版)
第14回パート・臨時で働くなかまの全国交流集会のチラシ(word218KB)
最低賃金の時間額1000円以上に引き上げ、パートの均等待遇などを求める署名用紙・チラシ

 

 

均等待遇ってなに?

 
同じ仕事で同じ賃金はあたりまえのことです

世界の常識
ヨーロッパではあたりまえです


 「正規のあの人とパートの私は同じような仕事をしているのに賃金は半分、納得いかないわ」って思っているあなた。本当にそうですね。ヨーロッパでは同じ仕事をすれば、時間当たりの賃金は正規もパートも同じである「均等待遇」が常識。じゃあ、日本で「均等待遇」にするにはどうすればいいのか、みんなで考えてみましょう。

均等待遇、日本では?

 日本では同じ仕事でも賃金格差が拡がっています

 全労連パート臨時労組連絡会で2002年にパート・臨時労働者の実態アンケートを行いました。「職場における不満・不安」ではトップスリーは (1)「正社員との差別がある」35.7% (2)「賃金が安い」30.1% (3)「職場の先行きが見えない」26.8%となっています。賃金が安いという不満も職場の正規労働者と比べてこそのこと、「パートは不当に賃金労働条件が低い」という大きな不満が職場に渦巻いています。

 夏期・年末年始休暇や慶弔休暇、生理休暇、福利厚生、交通費の支給にまでパート・臨時労働者は正規労働者と差別されています。これって、世界の常識「均等待遇」とあまりにもかけ離れていると思いませんか。

パートタイマーとは短時間雇用労働者を言います。
非正規雇用とは正規以外のすべての雇用形態をさしています。

日本の賃金格差

 パート労働者の多くを占める女性パートの賃金総額は正規男性の37.0%にしか過ぎません。パート男性でも正規男性の41.2%という大きな格差があります。このような大きな格差は国際的にも異常といわざるを得ません。

 もう一つ注目すべきことは近年、正規労働者の賃金も低下していることです。職場の非正規雇用労働者の低賃金が正規労働者の賃金引き上げの重石となっていることをみる必要があります。

非正規の若者増大

 非正規で働く若者が大変な勢いで増大しています。特に15歳から24歳台の女性の急増が目立ちます。フリーターだとか、ニートだと言われていますが、高校、大学を卒業しても正規での就職口がないことが大きな原因です。この若者達が年収100万円から200万円程度でズーッと非正規で働き続けざるを得ないとしたら、日本の将来は暗澹たるものがあります。



均等待遇、世界では

 
フルもパートも同一労働・同一賃金

 EU(欧州連合)が1997年12月に採択した「EUパート指令」では「パートタイム労働であることを唯一の理由として比較可能なフルタイム労働者より不利な扱いをされないものとする」となっています。そのため、ヨーロッパ諸国では一般的にフルタイムでもパートタイムでも同一労働・同一賃金の原則が貫かれています。フランス、ドイツ、イギリスは法律や規則で「均等待遇」を定め、実現に向かって前進しています。

世界の賃金格差は…

 均等待遇を法律で義務付けたり、労使協定で改善がはかられている国では、すでに賃金格差は8割台から9割台に縮まっています。アメリカは「均等処遇」を決めた法律はなく、各企業の判断に委ねられています。

人間らしい労働と生活を

 ディーセント・ワーク

ILOの目標

 ILOの任務の中核にあるのは、ディーセント・ワークの実現です。グローバル化は繁栄と同時に不平等ももたらしています。ILOの使命は、自由、均等、安全、人間的尊厳といった条件のもとで、世界中の人々がディーセント・ワークを探し出すのを手助けすることです。特に女性の雇用の拡大と質の向上に向けた支援や若年労働者、障害者、外国人労働者、先住民といった人々がディーセントな雇用を見つけられるような、ターゲット層を定めた計画を実践しています。

ディーセント・ワークとは…

労働者の権利が保護され十分な収入を生みだし、適切な社会的保護が与えられる生産的な仕事を意味します。

国際労働機関=ILOとは

 国際労働機関(ILO)の最も重要な機能は国際基準を設定する条約、および勧告を、三者構成(使用者・労働者・政府)の国際労働総会で採択することです。条約は、加盟国の批准によって、その規定の実施を義務づける拘束力をもっています。勧告は、各国での政策、立法、慣行の指針となります。

日本ではなぜ“均等待遇”でないの?

 
日本の「パートタイム労働法」「指針」

 1993年に「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」=パートタイム労働法が制定されました。この法律に基づき「事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等のための措置に関する指針」が定められています。しかしこの法律は義務規定ではなく、「努力義務」であるため制定後11年たった現在でも前進はみることができていません。

 03年の指針改訂では「日本型均衡処遇のルール」として、正規と同じ人材活用の「仕組みや運用など」が実質的に同じパートについては処遇の決定方式をあわせるなどとしましたが、この指針では差別的な労働条件が改善する実効性は乏しく、現実の格差是正の解決となりません。

差別放置は政府の責任

ILO100号条約(同一労働・同一賃金)は67年に批准したのに

 ILO100号条約が批准されてすでに、38年。労働基準法にも第3条「均等待遇」や第4条「男女同一賃金の原則」が明記されています。しかし、政府・厚生労働省はパートの賃金格差は「社会的身分」による差別ではないとして、その違法性を認めようとはしてきませんでした。

ILO175号条約(パートタイム労働法)を批准しようとしません

 EU諸国ではILO175号条約を批准し、国内法を改正するなどして、均等待遇への道を着実に進んでいます。しかし、日本政府は「日本の実態になじまない」として批准を拒み続けています。

「不安定雇用」でコスト削減

 政府と財界は雇用形態を一握りの正規雇用労働者とあとの圧倒的多数は企業の要請に応じて、雇入れたり、削減したりすることができる「雇用の流動化」政策を推進してきました。企業はグローバル経済下で生き残りをかけたリストラ「合理化」を大々的に推し進め、正規労働者を削減し、安くて置き換えのきく労働力であるパートや派遣、委託、請負に切り替えてきました。2003年から04年の1年間で正規労働者が76万人減り、非正規雇用労働者が55万人増えています。
闘って雇用を守る

公務職場では
 公務職場では近年、公務・自治体リストラのもとで臨時・非常勤職員の大量解雇(雇い止め)が頻発しています。公務の非常勤職員は「任用」という昔ながらの「お上から任を命じられる」という扱いで「雇用」労働者として扱われていません。そのため、パートタイム労働法も適用されず、雇い止めを争うことに困難もありますが、そんな状況のもとでも、多くの非常勤の仲間は労働組合に結集し、雇い止めを阻止してきました。まさにたたかって雇用を守ってきたのです。

均等待遇実現で男性も女性もいきいき働ける社会へ

 均等待遇が実現すれば、パートからフルタイムへ、フルタイムからパートへの転換が容易になります。男女双方とも個々人のライフスタイルやその都度の介護や育児などの事情でパートかフルタイムかを選択することができるのではないでしょうか。均等待遇は男女ともいきいきと働き続けるための重要なカギとなっています。

男女平等は世界の流れ

 男女雇用機会均等法が1985年に制定されましたが、現在にいたっても男女の賃金格差は一向に縮まっていません。しかし一方では、住友、芝信用金庫、野村証券など、男女差別撤廃闘争は「男女差別は世界の流れに逆行している」という国際世論にも支援され、当事者と多くの支援者の、長く厳しいたたかいによって、差別是正など勝利的な成果をおさめています。これらの成果は私たちが着実に男女平等社会への道に向かって前進をしていることを示しています。

間接差別禁止とポジティブアクションが必要

男女雇用平等法制度へ
(06年男女雇用機会均等法改正に向けて)

 政府は「男女雇用機会均等法」の2006年の法改正にむけての検討作業を進めています。検討課題は次の4点です。(1)男女双方に対する差別の禁止 (2)妊娠・出産等を理由とする不利益取り扱い (3)間接差別の禁止 (4)ポジティブ・アクションの効果的推進方策。「男女双方の差別禁止」とする意義は、「男女間の職域分離の是正が進むとともに、賃金を含む男女間格差の縮小が図られることが期待される」としています。しかし、男女間の賃金格差の解消には「間接差別」の禁止が最も重要であり、このことが明確に均等法改正に盛り込まれることが必要です。

間接差別

 男女雇用機会均等法により、直接的な差別はできなくなりましたが、実質的な男女の区分けが横行しています。典型的なのはコース別人事制度です。転勤のある「総合職」と転勤のない「一般職」に社員をふり分け、処遇に差をつけるこの制度は、家族の責任が大きくのしかかっている女性に不利で、総合職の女性は3%弱にすぎません。また、パートや派遣に女性労働者が多く、しかも低い賃金労働条件であることも問題となっています。このような、公平を装いながら、不均衡な結果をもたらすような基準・規定・慣行は「間接差別」といえます。

均等待遇実現に向けて

 全労連はこう考えます

▼パートタイム労働法(指針)を改正

 パートタイム労働法 はパート労働者への適正な労働条件の確保、能力開発、福祉の増進をはかることを目的に1993年に制定されました。そしてその具体的内容は労働指針 に定められています。しかし、指針は努力義務規定であるために制定から10年を経ても改善がすすんでいません。「均等待遇」をパートタイム労働法に明記させ、違反には罰則を加えることが必要です。

1 「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」
2 事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等のための措置に関する指針

▼ILO175号条約の批准を

 国際労働基準であるILO175号条約には「均等原則」が貫かれています。日本政府はこの条約をまだ批准していません。「均等待遇」は世界の流れです。175号条約を批准させ、国内法の整備を求めましょう。

▼最低賃金制度の改善と全国一律最低賃金制度の確立を

 パート労働者の賃金は地域最低賃金の影響を大きく受けています。あまりにも低すぎる現行最賃を引き上げ、非正規雇用労働者の賃金の底上げを図ることが必要です。また、全国一律最低賃金制度はナショナルミニマムの基軸として下請け工賃、社会保障にも連動させ、国民生活の最低保障の確立となります。全労連は国民各層との共同で制度確立をめざします。

▼継続してある仕事は、期間の定めのない雇用で

―有期雇用契約規制法を―

 パート労働者の多くは有期雇用契約で働いています。そのため、常に雇用契約の打ち切りの不安を抱えています。本来、継続してある仕事には期間の定めのない雇用であるべきです。有期雇用を厳密に規制する法制定を求めましょう。

「パート差別は違法」輝く勝利

丸子警報器のたたかい

 1996年3月15日、長野地裁上田支部は、丸子警報器28人の臨時社員の申立てに対して、原告らへの賃金差別は違法とする判決を出しました。判決は、「およそ人はその労働に対し等しく報われなければならないという均等待遇の理念が存在」するとしました。臨時社員の賃金は、まったく同じ仕事をする女子正社員の6割でしかありませんでした。判決後、東京高裁で和解が成立、原告たちの賃金是正、退職金の改善などが行われました。丸子警報器の勝利は全国のパート・臨時労働者の大きな期待と支援のもとで勝ち取ることができました。均等待遇を求めるたたかいの金字塔ともいえます。

均等待遇めざします

 私たちのアクションプログラム

 「均等待遇」を実現するには二つの方向からのアプローチが必要です。一つはパートタイム労働法を改正し「均等待遇」の枠組みを作ること。もう一つは職場のなかで一歩一歩、「均等待遇」に向けた労働条件の改善をはかることです。

なかまづくりこそ力

日本医労連

 福岡の新栄会病院では第2組合の結成など組合への不当介入が執拗に行われています。労組はユニオンショップ協定、チェックオフ協定の一方的破棄のもとで、個人加盟で、契約・パート労働者の組織化に着手し、契約・パート職員支部を立ち上げ、過半数を迎え入れました。要求アンケートを行い、病院との交渉も進めています。

「均等待遇」実現をめざすとりくみ

生協労連

 生協労連では、均等待遇の実現にむけ、本格的に足を踏み出そうと提起しています。

 正規労働者の仕事内容や賃金・労働条件を比較して、合理的理由に基づく格差なのか、労働組合内で正規とパートが同じテーブルで論議をすすめ、具体的な要求にまとめて処遇改善をすすめています。退職金制度の拡充や福利厚生制度(慶弔休暇、特別休暇)の格差是正で一歩一歩前進させています。

 
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