いま政府は、保険料を今後20年間に、厚生年金で現行13.58%を18.3%(当初は20%を計画していました)に、国民年金で月額1万6900円(当初は1万8100円)を固定し、その保険料の範囲で年金給付を自動的に抑えることを目標にしています。これを政府は「マクロ経済スライド」などと呼んでいますが、この目標は基礎年金の国庫負担を2分の1に増額したことを前提に試算されています(右下の注参照)から、この増額が行なわれないままであれば、さらに大きな負担が国民にかぶせられることになります。
国庫負担が3分の1のままならば年金額は24%引き下げられ、2分の1負担が実施された場合でも年金額の引き下げは12%ということになります。
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日本経団連は、「所得税と社会保険料に過度に依存する構造を是正し、経済成長に対する影響が相対的に少ない間接税のウェートを高めていく」ことを主張し、「消費税を18%に」と言っています。これは、企業負担の増加分をすべて消費者・国民に押し付けようという、無責任かつ虫の良い要求です。
<注> 1994年の年金改定のとき、全与野党が一致して確認した「年金改定法の付則と付帯決議」は、基礎年金の国庫負担割合の2分の1への増額、国の責任による無年金障害者の救済、年金受給資格25年の短縮などを明記しました。ところが政府はこれらの実施について先送りを重ねて、基礎年金の国庫負担はあいかわらず3分の1のままです。 |